全国を駆け巡る仕事。
私は、赤帽のドライバーとして日本中を走り回る日々を過ごしています。
物流の仕事は忙しく、時には一日に何百キロも運転することもありますが、
その中で私が見つけたささやかな楽しみがあります。
それが「ご当地キティの収集」です。
すべての始まりは、友人に
「北海道限定のご当地キティをお土産に買ってきてほしい」
と頼まれたことでした。
ご当地キティの存在は知っていましたが、友人に頼まれたことがキッカケで、
「折角、日本全国を移動しているのだから、ご当地キティを集めてみよう」
そんなアイデアが私の心にわいてきたのです。
仕事の合間に寄るお土産屋で、気軽にキティを探してみようと考えたその日から、
全国津々浦々を回るたびにご当地キティを手に入れるという趣味がスタートしました。
ご当地キティとの出会い
ご当地キティとの初めての出会いは、友人のリクエストで訪れた北海道の富良野でした。
シンプルで可愛らしいながらも、北海道の風景をしっかりと感じさせてくれるその姿に、
なんだか感動してしまったのを覚えています。
残念ながら、このご当地キティは友人に渡してしまったため、今手もとには残っていません。
それからというもの、
「全国を回る仕事をしているのだから、いろいろな場所のご当地キティを集めてみよう」
という気持ちが芽生えました。
その後、仕事で訪れた先々で、
配送の合間にご当地キティを探すことが私の日常の楽しみとなりました。
最初はお土産を頼まれた一度限りのつもりだったのですが、
次第にその魅力に引き込まれ、
いつの間にか私自身がキティをコレクションするようになったのです。
ご当地キティの楽しさと収集の広がり
ご当地キティの何が楽しいかというと、
それは各地域の特色が反映されている点です。
例えば、九州では湯布院で観光辻馬車に乗っているキティや、
金鱗湖をイメージして、金の鱗をまとったキティが観光地で売られています。
青森では津軽三味線を持ったキティ、
ねぶた祭で踊り歩く跳人(はねと)の恰好をしたキティなど、
その土地ならではの文化や名物を反映したデザインになっているのが魅力です。
このように、各地域ごとに異なるデザインがされているご当地キティは、
集めているうちに自然とその土地の文化や歴史を知るきっかけになります。
最初は可愛いキャラクターとして集めていたのですが、
次第にキティが手にしている小物や背景に描かれている風景が、
その地域特有の何かを示していることに気付きました。
たとえば、広島のキティはもみじ饅頭を持っているのですが、
それを見て、広島のお土産はもみじ饅頭にしようか、
という具合です。
そうやってコレクションが進むにつれて、
キティを集める楽しみが「その地域を知ること」へと変わっていきました。
これはただの趣味ではなく、
各地の名物や文化に触れる一つの学びの機会でもある。
と感じるようになったのです。
さらに、収集を進めると「その地域らしさ」を感じる瞬間が増えました。
キティは単なるお土産以上の存在であり、
地域の歴史や社会的な背景を知る窓口ともいえるでしょう。
コレクションが増えるたびに、
その地域に何度も足を運びたくなるような不思議な魅力があります。
赤帽ドライバーならではの楽しみ
赤帽ドライバーという仕事は、全国を回るという面白さがある一方で、
忙しい時期には過酷なスケジュールになることもあります。
それでも、このご当地キティ集めという趣味があることで、
仕事の中にも楽しみを見つけることができています。
地方の山間部や都市部、
そして時には離島にまで配送する赤帽の仕事は、
普通の人がなかなか行けないような場所にも足を運べるのが特長です。
こうした地域の土産物店や観光スポットに、仕事で立ち寄ることができるのは、
赤帽ドライバーとしての特権とも言えるでしょう。
特に、地方で見つけるキティは、
観光客が多い都市部のものとはまた違った魅力があり、
地域の深い文化に触れることができます。
四国の瀬戸内に行った時のエピソードが、私の中で特に印象的です。
「瀬戸の花嫁」と表示されているキティは、
ウエディングドレスを身にまとい、
茜色に染まる穏やかな海を舟でわたっているんです。
思わず、
♪ 瀬戸は日暮れて 夕波小波 ♪
♪ あなたの島へ お嫁にゆくの ♪
と、口ずさんでしまいました。
ご当地キティを見るたびに、その土地の風景や人々との出会いが蘇ってきます。
こうして、仕事の中でご当地キティを見つけることが、
私にとって一つの小さな冒険になっているのです。
また、四国だけでなく九州や東北でも、
各地の風景や名物を背景にしたキティが多数存在しており、
その土地ごとに違う特徴を持つキティに出会えるのが、この仕事の特権です。
ご当地キティが教えてくれる地域の魅力
ご当地キティを通して感じるのは、地域ごとの文化の違いです。
日本は一つの国ですが、地域ごとに全く異なる文化や風習があり、
それをキティを通じて目にすることができます。
例えば、北陸地方では、雪の積もった風景を背景にしたキティが多く、
寒冷な気候を反映していることがよく分かります。
また、南国の九州では、夏の風物詩をモチーフにしたキティや、
温泉をテーマにしたキティなど、
その地域独自の文化を取り入れたデザインが豊富にあります。
こうした地域のキティを集めていると、
自然とその土地の文化や歴史、
さらには観光名所についても詳しくなっていくのです。
例えば、青森ではねぶた祭りのキティを見つけ、
ねぶたの歴史やその背景にある風習について知る機会を得ました。
こうしてキティを通して地域文化に触れることで、
ただのキャラクター収集ではなく、
その土地を深く理解する一助となっています。
キティのデザインや背景に隠された意味を考えるたびに、
次はどんな土地でどんなキティに出会えるのだろうかと、
楽しみになってきます。
赤帽の仕事を通じて日本を知る
全国各地を走り回る赤帽ドライバーの仕事は、
忙しいながらも地域ごとの魅力を発見できる特別な体験です。
ご当地キティを集めるという趣味を通して、
私は日本各地の文化や歴史に触れることができています。
配送業務の合間に、各地で出会うキティたちは、
私にとってただのコレクションではなく、地域を知る窓口です。
これからも日本全国を駆け巡り、
もっとたくさんのキティと出会い、
さらに深い地域文化を知っていきたいと思います。
ぜひ、あなたも旅行先でご当地キティを探してみてください。
それが、その土地の新しい魅力を発見するきっかけになるかもしれません。
最後に、私が集めた主なご当地キティを紹介します。
津軽三味線(青森)、弘前桜(青森)、ねぶた祭(青森)、
かまくら(秋田)、秋田竿灯(秋田)、比内鶏(秋田)、
ざしきわらし(秋田)、南部鉄瓶(岩手)、さくらんぼ(山形)、
仙台七夕祭り(宮城)、尾瀬(群馬)、筑波山(茨城)、
水戸黄門(茨城)、あんこう(茨城)、ひらめ(茨城)、
潮来(茨城)、房総マリン(千葉)、びわ(千葉)、
草加せんべい(埼玉)、江ノ電(神奈川)、中華街(神奈川)、
金龍山(東京・浅草寺)武田信玄(山梨)、
ローズバージョン、うなぎの赤ちゃん(静岡)浜名湖限定、
白川郷(岐阜)、飛騨路(岐阜)、下呂温泉(岐阜)、
伊勢志摩(三重)、ナガシマリゾート(三重)、名古屋コアラ(愛知)、
薬売り(富山)、八ツ橋(京都)、九谷焼(石川)、紀州路(和歌山)、
ふく(山口)、広島限定、もみじ饅頭(広島)、ポンジュース(愛媛)、
いよかん(愛媛)、タルト(愛媛)、宇和島(愛媛)、土佐(高知)、
博多どんたく(福岡)、八女茶(福岡)、中州(福岡)、
博多人形(福岡)、対馬(長崎)、金鱗湖(大分)、桃(岡山)、
瀬戸の花嫁(瀬戸内)、温泉めぐり(大分)
日本全国に行ける仕事。
興味ありませんか?